反貧困ネットワーク信州
設立総会・シンポジウムを開催しました |
反貧困ネットワーク信州 設立
反貧困ネットワーク信州は、2009年12月19日午前、千曲市あんずホールにて設立総会を開催し、日常的な支援団体12団体が参加して発足しました。
総会では、設立の目的、名称、共同代表、事務局、会の基本的な確認事項をみんなで確認し合い、当面の活動費用を分担金として各団体が拠出し、特に、年末の生活困窮者への支援を強めていくための情報共有や連携を深めていくことにしました。
設立の目的
名称および構成
名 称 「反貧困ネットワーク信州」
共同代表 中島嘉尚(弁護士) 内村 修(弁護士)
事 務 局 和田洋子(司法書士)
佐久市中込3030番地1
主な活動の内容
確認事項
参加団体(2011年8月1日現在 13団体 順不同)
・SOSネットワーク上伊那
・生存を支える会(仮)
・反貧困くらしと雇用を守る上小ネットワーク
(通称;陽だまりネット)
・反−貧困ネット長野
・SOSネットワークすわ
・いのちと暮らしを守る反貧困飯伊ネットワーク
・反貧困セーフティネット・アルプス
・長野県民主医療機関連合会
・LCC−ながの
(労働者コミュニティーセンター・ながの)
・日本共産党長野県会議員団
・企業組合労協ながの
・長野県高齢者生活協同組合
・くらし・雇用・営業をまもる反貧困ネットワーク佐久
反貧困ネットワーク信州 設立記念シンポ
つくられた貧困!
〜わたしたちは、何ができるのか〜
期 日 2009年12月19日(土)
開 場 12時 開会13時
〜 閉会15時30分
会 場 千曲市更埴文化会館 あんずホール
反貧困ネット信州は、12月19日に「つくられた貧困!〜わたしたちは、何ができるか」をテーマにシンポジウムを開催し、320名の参加で学び合いました。
内村修共同代表による主催者挨拶、近藤千曲市長からの祝電披露の後、ジャーナリストの堤未果氏が「貧困大国アメリカと後を追う日本〜私たちにできることとは?」と題した基調講演を行いました。
堤氏は、アメリカの同時多発テロの際に政府は不安をあおり、愛国法を制定して個人情報も含めて情報を一元管理し、社会保障費を削減して軍事を増強した。
マスコミも支配しつつ、反対の声を上げにくくし、市民は分断されていった。いま、アメリカは貧困と雇用、医療などの対策のための社会保障の充実が求められている。
日本では政権が変わったが、私たちは、マスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、複数から取り込むこと、そして、論調を分析した上で判断することが大切であるとし、声を上げていくことが、マスコミを変えることにもつながる。分断を越えて連帯し、つながること、声を大きくしていくことが世の中を変えていくことにつながると、私たちの運動を広く太くしていくことが重要と示唆されました。
その後、SOSネットワーク上伊那、生存を支える会(仮)、陽だまりネットの3団体から実践報告がありました。
SOSネットワーク上伊那の水野さんは、SOSネットワーク結成から今日までの相談支援や生活物資の支援などの取り組みをスライドで紹介し、継続性と地元の理解が大きいとしつつ、外国人の支援は言葉や文化の問題があり、雇用に結びつくのは大変厳しく、居場所づくり、コミュニティの形成、スタッフのモチベーションの3点の課題をあげ、特に支援スタッフの精神的な負担が大きく、行政も含めた幅広い支援の必要性を訴えました。
生存を支える会(仮)の八木さんは、野宿者支援から活動を始めたが、居場所を追われ、実態を把握することが困難の上、ひっきりなしに、支援を求める連絡が入ってくると、厳しい実情を報告。家族自体が貧困化して本人も他に発信して支援を求めることができにくく、生活保護を受けられても「孤立」という問題は残され、精神的なケアも必要性を増していると指摘し、支援を受ける当事者が主体的に考えて発信していけることも必要と提起しました。
陽だまりネットの久保木さんは、自身のゼミ学生の内定が半分にもなっていない厳しい就活の中で、学生が「自分は社会に必要とされていない」と感じているとの現状に頭を悩ませていると胸の内を明かしました。相談支援活動でも、仕事を失い、生活保護を受けるために財産を失い、家族や社会からも疎外され、社会的に自立する道をたたれて、どう自立することができるのかと、窮状を訴えました。上田市も動き始め、年末年始のシェルターの場所や相談員を支援するなど、支援の輪も広がってきている。11月に「闘う市民集会」を開催したが、地域で貧困問題を考えていく必要があると提起しました。
陽だまりネットの支援を受けた中沢さんが発言台に立ち、1月に仕事を失い、就職活動をしても仕事が無い。給付中に生活保護の相談をしても、雇用保険が終わってからと言われ、4月に給付が切れて生活保護の相談に行ったら、車や持ち家があればダメだと断られた。子も親も面倒を見なければならないのに、生活が成り立たない。陽だまりネットのチラシを頼りに相談に行き、一緒に市役所で掛け合ってくれた。車は認められ、9月にはなんとか生活保護を受給し、今は職業訓練でヘルパー2級の資格をめざしている。こういう支援があったことに大変感謝している。と支援の重要性を訴えました。
最後に、アピール文を採択。
閉会の挨拶で、中島嘉尚共同代表は、貧困の当事者・主体者として取り組むことは大事だが、それ以上に集まった人たちが、「こんなことは許せない」と立ち上がることが大事だ。貧困は私達のすぐ近くまできている。私たちが安心して生きていくためには、自分たちの問題として考え、セーフティネットを整備していくために声を上げていこう!と呼びかけ、シンポジウムは終了しました。
アピール文
昨年来の派遣切りや雇い止めの横行により、多くの労働者が職を失い日々の生活にも困る状況に陥っている。中には生存さえ危ぶまれる状況にある人たちも少なくない。これに対するわが国のセーフティネットは、あまりに不足しており、最後のセーフティネットである生活保護においても、いわゆる「水際作戦」が依然として多い。
長野県内において生活困窮者に対する支援活動を行っている諸団体が今日ここに集まり、支援を必要としている人たちを漏らすことなく救済するためのネットワークをつくり、相互に連携していくことを確認した。
私たちは、貧困に陥っている人々を支援するため、多くの市民と連帯し、私たち自身ができることを行い、すべての人々が人間らしい生活を営むことができる社会を築くことができるよう力を尽くすことを決意する。
2009年12月19日
反貧困ネットワーク信州シンポジウム参加者一同
集会チラシ(PDF)はこちら
主 催 反貧困ネットワーク信州
共同代表 中島嘉尚(弁護士)、内村 修(弁護士)
【事務局・連絡先】 司法書士
和田洋子
〒385-0051 佐久市中込3030番地1 TEL 0267-63-5153
後 援 生活底上げ実現長野県連絡会
昨年以降の急速な経済悪化により、派遣切りや解雇などが引き起こされていることに対し、雇用や暮らしを守るために県内でも様々な相談活動や支援活動、及び生活保護申請や住宅探しの行政窓口への同行などの援助活動が行われてきました。
このような支援活動は、各団体の活動交流と情報の共有をしてこそ、より効果的に力が発揮されることを確認し、各支援団体のネットワークを作ることになりました。